運命みたいに恋してる。
『怒りに燃えた親たちが、そっちに向かってるところよ。なにもするな、一歩も動くな! ……って至上命令。逆らったら停学だって』


あぁ、結局そういうことになってしまったのか。


あんなに努力したのに、ぜんぶ水の泡だ。


「無力な学生は従うしかないな」


花梨ちゃんとの通話を終えて、スマホをしまったあたしに、大地がそう言った。


たしかにそれしかないんだけど、親たちはかなりキレてるっぽいし、また感情論になって、結局は堂々巡りになりそうな気がする。


はあ……。なんでこう、うまくいかないんだろう。


「そう悲観すんな。今回うまくいかなくても、次に繋げればいい。兄貴たちに諦めるなって伝えることができたらそれで充分だ」


……うん。そうだね。


諦めなければ、まだまだ戦う余地があるってことを、お姉ちゃんたちに伝えにきたんだもんね。


なのに、あたしたちが諦めてちゃだめだ。
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