運命みたいに恋してる。
ここに全員揃うなら、手間が省けていい。


お母さんたちが着いたら、大人たちに冷静に話し合ってもらえるように、あたしたちが全力を尽くすんだ!


負けるもんか!来るなら来い!お母さんたち!


……と、気合を入れたあたしは、それから間もなく素っ飛んで来たお母さんとおじさんペアから、ペシャンコになるほどのお怒りを食らったのだった……。


「こんな問題を起こして、なにを考えているの⁉︎ お母さんの心臓を止めるつもり⁉︎」


「今がどんなときか、わからないわけじゃないだろう! こんな息子に育てたつもりはないぞ!」


「そうよ! 死んだお父さんに申しわけが立たないわ!」


「まったくだ! 死んだ母さんに顔向けができないぞ!」


息ピッタリのマシンガントーク。


おとなしく叱られながら、このふたりって意外に相性いいんじゃないかなぁ?って思ってしまった。


「とにかく、ここに一海たちがいるのね?」


ひと通り叱り終えて満足したのか、お母さんとおじさんが、目の前の民宿を厳しい表情で見上げた。
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