運命みたいに恋してる。
「お姉ちゃんのためにも、あたしは絶対に引かないからね!」


立ち上がって叫ぶあたしを、お母さんとおじさんが、まるで見守るように静かに見ている。


そしておじさんが、大地によく似た目であたしをまっすぐ見て言った。


「ならキミは、責任をとると言うんだね?」


「え?」


いきなり聞こえた『責任』という言葉が持つ重みに、あたしはひるんだ。


「せ、責任、ですか?」


「そうだよ。すべての行動には責任がついてくる。キミと大地が口を出したら、出した分だけ責任が生まれるんだ」


そしておじさんは今度は大地の方を向いて、真面目な顔で言った。


「好き勝手に結婚を煽っておきながら、いざとなったら自分は知らない責任とらない……じゃ済まされない。わかるな?」


大地は、おじさんが言った言葉をじっくり噛みしめるように聞いて、それから、少し悔しそうにうなずいた。


「わかる。なにかあっても、今の俺に責任をとれるだけの力はない。七海に責任を負わせるわけにもいかない……ってことだよな」


大地の言葉を聞いてすっかり勢いの削がれたあたしは、ポスンと座り込んだ。


そっか……。お母さんもおじさんも、あたしたちをバカにしているわけでも、邪魔者にしているわけでもないんだ。


まだ高校生のあたしたちが責任を負うには、この問題は荷が重いって、お母さんとおじさんは言っているんだ。
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