運命みたいに恋してる。
そうだよ。こっちはこっちで悩みもあるんだし、大変なんだよ。


大人なんだから、自分のことは自分でちゃんとして欲しいよ。


「小さい頃はさ、大人ってすごく『大人!』って感じに見えてたの」


「あぁ、わかる。大人は立派で、なんでも知ってて偉い存在だって思ってた」


うん。大げさに言えば、遥かに違う次元の完璧に近い存在だと思っていた。


それが、実情を知っちゃえばこんなもの。


幻想って音を立てて崩れるもんなのね。


「その分、俺たちが大人に近づいているのかもな。遠い存在でしかなかった大人に、もうそこまで近づいてるんだよ」


「そうかもしれないね。だから、あたしたちにも現実が見えてきてるのかもしれない」


「どうやら俺たちも、そろそろ大人になれそうだな」


「だね。あんなもんでいいんなら簡単になれそう。あたしたち高校生と大差ないもん」


それなら、しかたないのかもしれない。


大人が失敗したり悩んだり、答えを探して右往左往するのも。
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