運命みたいに恋してる。
迷ってもいいし時間がかかってもいいから、とにかくお姉ちゃんたちが本当に幸せになる道を、全力で考えてほしいよ。


……幸せ、かあ。


「ねぇ、大地。あたしね、ずっと思ってたことがあるんだ」


「なにを?」


あたしは襖にもたれてヒザを抱え、ずっと胸の中に押し込んでいた気持ちをポツンと零した。


「うちのお母さんって、幸せじゃなかったのかな?」


お母さんがこの結婚に反対する理由は、自分がしたような苦労を、子どもには絶対にさせたくないから。


それってつまり……お母さんは不幸だったのかな?


そりゃ当然、お父さんが死んじゃったわけだし、大変な思いをしたんだけど。


でもさ、もしそうなら、どうなんだろう。


「もしお母さんが、人生をやり直せたら……もう一度、お父さんと結婚する道を選ぶかな?お姉ちゃんとあたしを産もうとしてくれるかな?」


そうじゃなかったとしたら、あたしたちはお母さんの人生にとって、迷惑な存在だったってことになる。
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