運命みたいに恋してる。
「もしかしたらお母さんは、選んでくれないかもしれないね。お父さんを、お姉ちゃんとあたしを……」


―― スパーーンッ!


「うわわ⁉︎」


背中を預けていた襖が、すごい勢いで全開になったから、危うくひっくり返りそうになった。


なんとか体勢を整えて、振り向いたあたしが見たものは……


「お、お母さん⁉︎」


「親父⁉︎」


お母さんとおじさんが、真剣な表情で立っている。


目を丸くしているあたしに、お母さんはまるで怒ってるような口調で声を張り上げた。


「話はぜんぶ聞いたわよ!何を考えてるのよ、この子は!」


「……はい?話は聞いたって、なんの話を聞いたの?」
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