運命みたいに恋してる。
「とにかく、なにか飲んで休もうよ。どっかに自販機ないかな? あたしがおごるから」
「当然でしょ? 迷子になった原因、七海ちゃんなんだから」
「あ、やだなー。人の善意を当然のように受け取るその態度」
「善意じゃなくて、これは賠償です」
そんな会話をポンポン交わしながら自販機を探したけど、どうやら目の届く範囲にはないみたい。
もっと先の方に進めばあるかな? でもこれ以上あちこち動き回るの怖いな。
「……ん?」
自販機を諦めかけたあたしの目に、〝ある物〟が留まった。
あたしはそれを指さして弾んだ声を出す。
「花梨ちゃん、自販機はないけどカフェがあったよ!」
「カフェ? どこ?」
あたしの指先を目で追った花梨ちゃんが、すぐに眉間にシワを寄せた。
「どこよ? 普通の家しかない……あっ!」
「ほらね? あったでしょ?」
あたしの指先の前方、道路を挟んだ向こう側の、ごくごく普通の一軒家。
その普通の玄関ノブに、ちっちゃな茶色い看板がぶら下がってた。
『カフェ・どりーむ』
黄色いペンキで書かれているその文字の下の方に、これまたちっちゃく、『いらっしゃいませ』のカラフルな文字。
「当然でしょ? 迷子になった原因、七海ちゃんなんだから」
「あ、やだなー。人の善意を当然のように受け取るその態度」
「善意じゃなくて、これは賠償です」
そんな会話をポンポン交わしながら自販機を探したけど、どうやら目の届く範囲にはないみたい。
もっと先の方に進めばあるかな? でもこれ以上あちこち動き回るの怖いな。
「……ん?」
自販機を諦めかけたあたしの目に、〝ある物〟が留まった。
あたしはそれを指さして弾んだ声を出す。
「花梨ちゃん、自販機はないけどカフェがあったよ!」
「カフェ? どこ?」
あたしの指先を目で追った花梨ちゃんが、すぐに眉間にシワを寄せた。
「どこよ? 普通の家しかない……あっ!」
「ほらね? あったでしょ?」
あたしの指先の前方、道路を挟んだ向こう側の、ごくごく普通の一軒家。
その普通の玄関ノブに、ちっちゃな茶色い看板がぶら下がってた。
『カフェ・どりーむ』
黄色いペンキで書かれているその文字の下の方に、これまたちっちゃく、『いらっしゃいませ』のカラフルな文字。