運命みたいに恋してる。
「……とにかく、ふたりとも帰っていらっしゃい。今後のこともいろいろ決めなきゃならないしね」


「拓海は店もあるだろう? あの店はお前たちにとって、放り出していいものじゃないはずだ」


お母さんとお父さんの穏やかな言葉に、お姉ちゃんは涙だらけの顔で、柿崎さんは凛とした顔で、しっかりとうなずいた。


そんな四人を見ながらグスグス泣いているあたしの頭を、大地がポンポンなでてくれている。


「やったな、七海。お前の行動力が幸せを呼び込んだんだ。やっぱりお前はすごいヤツだよ!」


そして大地はあたしの耳もとで、そっとささやいた。


「やっぱり俺はお前が好きだよ」


堤防が決壊して、涙がドッと溢れた。


もう、胸がいっぱいで弾けそう。今は、その言葉が純粋にうれしい。


うん、あたしもだよ。あたしも大好きだよ。大地。


言葉にならない言葉を心の中で繰り返しながら、あたしは何度も何度も、うなずいていた。









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