運命みたいに恋してる。
「うそでしょ? こんなことって、あり?」


ボソッとつぶやいたあたしは、両手で抱えていた頭をゆっくり上げて、大地を見上げた。


あたしの……あたしの本当の運命の相手は……その相手は……!


「よっしゃあーー!」


あたしは勢いよく飛び上がり、両手を高々と天に向けて、ガッツポーズをしながら雄叫びを上げた。


びっくりした大地は後ずさって、不審感丸出しの表情であたしを眺めてる。


「なんだよ、いったい?」


「やっとわかったの!」


あたしの運命の相手は、なんと、あんたなのよ大地!


なんて運命のイタズラなんだろう。これだから油断ができないよ!


あぁ、体中に力が漲ってくる。背中に羽根が生えたみたいで、とても気持ちを抑えられない。


想いが、胸の底からどんどんせり上がって、ノドに込み上げてきて、破裂しそう。


「大地、聞いてほしいことがあるの!」


あたしは大地の目の前に立って、両手を胸の前に組み、大きく深呼吸した。


大地に想いを伝えたい。だってもう、抑えられない。


心があたしに訴えるの。『今だ!』って。
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