運命みたいに恋してる。
そして、ついに目にしたその光景は……!


「まあ当然というか、ごく普通のカフェだわね」


花梨ちゃんがあたしの背中越しに中を覗き込みながら、安心したようにつぶやいた。


玄関を開けたすぐその場から、お店のスペースだ。


あまり広くない空間に、シンプルな木製テーブルセットが六席並んでる。


デニムのテーブルクロスの上のガラスコップに飾られた、小さな白いカスミ草。


そして窓辺には観葉植物が飾られていて、アルミ製のジョウロが無造作にぶら下がっていた。


素朴というか、素っ気ないインテリアだな。しいて言うならカントリー調? ここは山小屋か?


もうちょっと意外性ってのを期待してたのになぁ。


花梨ちゃんとあちこちを見回しながら、とりあえず窓際の席に座った。


屋根がある場所で、ちゃんとイスに座ることができてホッとしたけれど……。


「誰もいないね」


お客さんがひとりもいないどころか、お店の人すらいなくて、店内はガラーンと静まり返ってる。


もしかして今日ってお休みの日? でもドアは開いてたしなぁ。


誰もオーダーとりに来ないけど、まさかセルフサービス?
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