運命みたいに恋してる。
――コン、コン。
「七海、入っていい?」
部屋のドアをノックする音と、お姉ちゃんの声が重なって聞こえて、あたしは一気に緊張した。
会いたくないから入らないで!
……なんてことを言えるほど、もう子どもじゃないあたしは、「どうぞ」って返事をするしかない。
お姉ちゃんがドアを開けて部屋の中に入ってきて、あたしは机の上に視線を落としたまま息を詰めていた。
「ねえ、七海」
背後からお姉ちゃんがヒョイッとあたしの顔を覗き込んできて、お互いの顔と顔がくっつきそうなくらい接近する。
あたしはビクッと体を震わせて、つい無意識に顔を背けてしまった。
するとお姉ちゃんが困ったような声で、あたしに謝ってきた。
「拓海のこと、やっぱり怒っているのね。べつに秘密にしていたわけじゃないのよ。ただ、言い出しにくかっただけなの」
どう返事をすればいいのかわからなくて、あたしはなにも言わずに沈黙したまま。
そんなあたしの態度にますます困ったお姉ちゃんは、次の言葉を探すように黙り込む。
ふたりの間に流れるこの重苦しい沈黙がすごく苦痛で、あたしはようやく口を開いた。
「べつに、怒ってるわけじゃないよ」
「七海、入っていい?」
部屋のドアをノックする音と、お姉ちゃんの声が重なって聞こえて、あたしは一気に緊張した。
会いたくないから入らないで!
……なんてことを言えるほど、もう子どもじゃないあたしは、「どうぞ」って返事をするしかない。
お姉ちゃんがドアを開けて部屋の中に入ってきて、あたしは机の上に視線を落としたまま息を詰めていた。
「ねえ、七海」
背後からお姉ちゃんがヒョイッとあたしの顔を覗き込んできて、お互いの顔と顔がくっつきそうなくらい接近する。
あたしはビクッと体を震わせて、つい無意識に顔を背けてしまった。
するとお姉ちゃんが困ったような声で、あたしに謝ってきた。
「拓海のこと、やっぱり怒っているのね。べつに秘密にしていたわけじゃないのよ。ただ、言い出しにくかっただけなの」
どう返事をすればいいのかわからなくて、あたしはなにも言わずに沈黙したまま。
そんなあたしの態度にますます困ったお姉ちゃんは、次の言葉を探すように黙り込む。
ふたりの間に流れるこの重苦しい沈黙がすごく苦痛で、あたしはようやく口を開いた。
「べつに、怒ってるわけじゃないよ」