運命みたいに恋してる。
あたしの運命の初恋は、ただの夢。


十年っていう長い月日をかけた夢だったけれど、夢はいつか醒める日がくる。


そのいつかが、今日だったんだ。


「あたし、全力でお姉ちゃんの恋を応援するからね！」


だからせめて、これ以上自分がみじめににならないように、すべてを忘れたふりして応援しよう。


そして少しずつ少しずつ頑張って、時間をかけて……いつか本当に忘れよう。


「ありがとう、七海！」


お姉ちゃんのこんな幸せそうな笑顔、見たことない。


そう。お姉ちゃんは幸せで、柿崎さんも幸せなんだ。


だからふたりを祝福して、応援すべきなんだ。


そうするのが人として正しい道で、あたしはそうしなきゃいけないんだ。


心の奥が押し潰されるように痛んだけれど、あたしは邪念を振り払うように頭をブンブン振って、笑顔でお姉ちゃんを抱きしめた。









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