運命みたいに恋してる。
やっぱりそうだったのか……。それはいろいろ大変だったろうな。
あたしたち、同じ境遇なんだね。
「うちはお父さんがいないの。あたしが小さい頃に事故で亡くなったから」
「知ってる。兄貴から聞いたよ」
「まだ小さかったから、お父さんとの思い出が少ないんだよね。時間が経つと、その少ない思い出すらだんだん薄れてきて、それがすごく悲しくってさ」
大切なものがポロポロ抜け落ちて、取り返しがつかなくなる気がするんだ。
それで、ちょっとでも思い出の香りがするものに反応するの。
そうして安心したいんだよね。自分はまだお父さんのことを忘れてないって。
大地君もきっと、そんな思いでセミナーに参加したんだろうな。
なんだ。てっきりチャラ男系かと思ったけど、ぜんぜん違うじゃん。
「俺、初めて一海さんを見たとき驚いたんだ。一海さんが俺の母さんに似てたから」
「え? お姉ちゃんが?」
「うん。顔立ちも雰囲気もよく似てる。だから思い切って一海さんの隣の席に座って、話しかけたんだよ」
へえ、知らなかった! お姉ちゃんが柿崎さんの亡くなったお母さんに似てるなんて!
もしかして、それがきっかけで柿崎さんはお姉ちゃんに惹かれたのかな?
あたしたち、同じ境遇なんだね。
「うちはお父さんがいないの。あたしが小さい頃に事故で亡くなったから」
「知ってる。兄貴から聞いたよ」
「まだ小さかったから、お父さんとの思い出が少ないんだよね。時間が経つと、その少ない思い出すらだんだん薄れてきて、それがすごく悲しくってさ」
大切なものがポロポロ抜け落ちて、取り返しがつかなくなる気がするんだ。
それで、ちょっとでも思い出の香りがするものに反応するの。
そうして安心したいんだよね。自分はまだお父さんのことを忘れてないって。
大地君もきっと、そんな思いでセミナーに参加したんだろうな。
なんだ。てっきりチャラ男系かと思ったけど、ぜんぜん違うじゃん。
「俺、初めて一海さんを見たとき驚いたんだ。一海さんが俺の母さんに似てたから」
「え? お姉ちゃんが?」
「うん。顔立ちも雰囲気もよく似てる。だから思い切って一海さんの隣の席に座って、話しかけたんだよ」
へえ、知らなかった! お姉ちゃんが柿崎さんの亡くなったお母さんに似てるなんて!
もしかして、それがきっかけで柿崎さんはお姉ちゃんに惹かれたのかな?