運命みたいに恋してる。
「特別じゃない恋なんてあるのか?」


「え?」


一瞬ひるんだあたしに、大地君は無知な子どもを諭すような口調で、ゆっくりと言った。


「この世のすべての恋には意味があるし、特別なんだよ。特別じゃない恋なんて存在しねえよ」


「…………」


……ハッ!


い、いけない! つい、ちょっと感動しちゃったかも!


こいつのペースに飲まれちゃだめだ。負けるな、あたし。


正義は我にあり、だ!


「そんな哲学者みたいなこと言っても、あたしはだまされないからね!」


「だましてるんじゃない。俺達の恋だって、この世でたったひとつの特別な恋だって言ってるんだよ」


「…………」


いや、感動しちゃだめなんだって!


特別な恋だってことは、言われなくても自分でわかってるんだから!


「それでも、諦めなきゃならないんだよ!」


「なんで? なんで運命の恋を諦めなきゃならないんだ?」
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