運命みたいに恋してる。
運命と本心
その日の帰り道。


部活を終えた花梨ちゃんと一緒に帰宅しながら、あたしはさっきの出来事をぜんぶ報告していた。


「ふーん。で? 七海ちゃんはどうするつもりなの?」


語尾に怒りマークがビシバシくっついている口調で、花梨ちゃんが聞いてくる。


花梨ちゃんてば、かなりのご立腹……。


「まさかその、地面とかいうヤツの言うことを真に受けるつもり?」


「いや、地面じゃなくて大地なんだけど」


「似たようなもんじゃないの。とにかく、うさんくさい。その男」


ご立腹モードの花梨ちゃんは、容赦なく大地のことを貶し始めた。


「そいつの言ってることってムチャクチャ自己中じゃん。自分さえよければ、他人を傷つけてもいいってことでしょ?」


「だよね」


「そういう手合いが将来、DV男になるのよ。でなきゃ詐欺師か、カルト教団の教祖よ」


「そ、そう?」


「七海ちゃん、そんな男とは絶対に関わっちゃだめ。わかった?」


返事もせずに黙り込んでいるあたしを、花梨ちゃんが不審がっている。


どうしよう。


『実は勢いに押し切られて、お互いの連絡先を交換しちゃいましたー。アッハッハ』


とか、とても言い出せる空気じゃないよ、これ。
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