32日日記
「瑞姫、瑞姫、瑞姫っ!」
授業が終わって教室に帰ると、理穂が駆け寄ってきた。
「あのさ…」
理穂が身を潜めて話し出す。
「授業中にさ、屋上から女子の声がして、その次は男子の声がしたんだけど、」
それって…
「私の推理は、“授業中に抜け出したカップルがいて、女子が男子をフった。”どう?ありそうじゃない?」
私は苦笑いをした。
“それ、私と修太だよ。”なんて、言えるわけないし…
元はと言えば、私は保健室に行ってたことになってる訳だし。
無理だね。うん。
その前に、言いたくないし。
「瑞姫?なんかあった?」
「えっ?いや、何にもないよ」
「そう?ならいいけど」
それから私は、理穂と他愛のない話をした。
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