32日日記
「おーい、お前ら、席に着け。終礼始めるぞー」
担任の先生が教室に入って来て、私たちは話を止めた。

私は窓際の一番後ろにある自分の席に座ると、机に肘をついてぼんやりと外を眺める。
青く透き通った空をゆっくりと流れる雲。
綺麗だなぁ…

____バシッ‼
「痛っ…」
先生が私の頭を出席簿で叩いた。
「おい、ちゃんと話を聞いているかー?」
クラスに笑いが起こる。
「外に何かあるのか?」
「…なんにも、ないです」
理穂の方を見ると、声を殺して笑っていた。
「なら、尚更だ。ちゃんと話を聞いておけよ?」
「はい。すいませんでした…」
先生は教壇に戻り、明日の予定を話し始めた。
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