おやすみ、先輩。また明日
「可愛い……」
「言っとくけど、俺の趣味じゃねぇぞ」
「何これ超可愛い! これ、どこで買ったんですか!?」
「俺が買うかよ。これは貰いもん。手作りだから売ってねぇよ」
早口でそう言ったヤンキー先輩。
ピアスだらけの耳が少し赤くなった。
へえ~。
照れてるんだあ。
「手作りですか~。……もしかして、彼女からとか」
「そ。こういうの作るの好きな奴で、しょっちゅう押しつけられる」
押しつけられて、趣味じゃない可愛いキーホルダーを素直に鞄につけちゃうわけですか。
その彼女のことを、大切にしてるんだなあ。
ますます申し訳ない気持ちになる。
「彼女からの物なのに……本当にごめんなさい」
「いいって。お前が悪いんじゃねぇし。気にすんな」
「でも……」
「それより頭大丈夫か? ハゲてねぇ?」
「は、ハゲてませんよ! ……ませんよね?」