おやすみ、先輩。また明日
まだ少しじんと痛む頭皮をさすりながら聞くと、ヤンキー先輩は思いきり吹きだして笑った。
鋭い瞳が細まって、くしゃっとした笑顔は親しみの持てる感じ。
かっこいい人だなと思った。
「ハゲてねぇよ、多分」
「多分って~」
「髪くるくるでボリュームあるし、多少ハゲても隠れるだろ」
またくるくるって言った。
唇を尖らせてじとりと先輩を睨むと、煙草をくわえながらの苦笑いで返される。
「いいじゃん、くるくる。犬みたいで」
「い、犬?」
「そう。トイプードルみたいで可愛いだろ。ウチで飼ってんだよ、トイプードル」
「トイプードル!? ヤンキー先輩がトイプードル……。散歩する姿とか、ちょっと想像つかないですねぇ」
やっぱり犬の散歩もくわえ煙草でなんだろうか。
でもそれってなんだか、あんまりかっこつかないよね。
だってリードの先には可愛いくるくるのトイプードルなんでしょ?
ぷぷ。
ミスマッチ過ぎてちょっと笑っちゃうなあ。
想像したらなんだか癒されちゃった。