おやすみ、先輩。また明日


『そうそれ。そこにドッグランが出来たんだよ』


「へ~。そうなんだ。知らなかった」


『で、午後そこにうちのアンコ連れてくけど、お前暇なら見に来るか?』


「行く!」



間髪入れずに即答した。


だってだって!

生のアンコちゃんに会えるのも嬉しいけど、夏休み中にヤンキー先輩に会えるなんて!


こんな上手い話があっていいの?




『返事早すぎ。お前そんなにアンコに会いたかったのか』



笑いながら言う先輩に、わたしは声には出さず首を横に振って答えた。


ちがうよ。

わたしが本当に会いたいのは、ヤンキー先輩なんだよ。



待ち合わせの時間を決めて、通話を切る。


なんだか、夢を見てるみたい。

わたしの「会いたい」って気持ちが通じたのかなあ。



「って、ひたってる場合じゃない!」



わたしはばたばたと、シャワーを浴びるために部屋を飛び出した。










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