おやすみ、先輩。また明日
「ヤンキー先輩!」
3日ぶりに見るすらりとした長身のうしろ姿。
振り返った先輩は、夏休み前よりも少し髪が短くなっていた。
夏らしくて素敵。
何よりとても似合っててかっこいい!
「ごめんね先輩。遅くなっちゃって」
「遅くねぇよ。時間ぴったり」
笑顔全開で駆け寄るわたしは、目の前のドッグランで駆け回っている犬たちみたいなんだろうな。
いいんだ。
わたしできることならヤンキー先輩の犬になりたい。
「先輩、久しぶり!」
「久しぶりって。まだ夏休み入って3日だろうが」
そう言って笑うヤンキー先輩は、下は黒のてろっとしたジャージに、上はタンクトップと薄手のパーカー。
手に持っていた黒のキャップを被った先輩は、制服姿の時より少し大人っぽく見えた。
私服姿、初めて見ちゃった。
かっこいい。どきどきする。
ジャージとか超ラフなのに、なんでこんなにかっこよく着こなせちゃうんだろ。