おやすみ、先輩。また明日


「ほら。くるくるの会いたがってたうちのアンコ」


「わああ! 生アンコちゃんだ!」



赤いリードの先には、くるくるとした赤茶の毛のトイプードルがいて、ヤンキー先輩の少し後ろにちょこんと座っていた。

つぶらな瞳がとっても可愛い。


可愛いけど、



「……ぷっ。やっぱり先輩、似合わないね!」


「ああ? うるせー。生意気だぞくるくる!」


「きゃーっ」




わわわー! 近い!

ヤンキー先輩の苦い煙草の匂いが……!



いきなり頭をホールドされてテンパった。


加減してくれてるから全然痛くない。

むしろ嬉しいので抵抗しないわたし。



でも心臓が破裂しそうなのでもうやめて!


いややっぱりやめないで!

もうちょっとだけこのままよろしくお願いします!



わたしの心中はそんな風に大忙し。


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