おやすみ、先輩。また明日








「美味かったな。あのゼリー」



前を歩くあんこちゃんを見つめながら、ヤンキー先輩がぽつりと呟く。



「ふふ。まだ言ってる」


「美味かったんだからしょうがねぇだろ」


「じゃあまた作ってくるね。キウイじゃなくても、色んなフルーツで出来るから」



あのあとランから出て、公園内のベンチで水分補給をして持ってきていたゼリーを食べた。

しゅわしゅわの炭酸ゼリーに、ヤンキー先輩はすごくびっくりして、たくさん「美味い」って褒めてくれたんだ。


作っておいて本当に良かった~。



駅で別れるつもりだったのに、ヤンキー先輩が家まで送るって言ってくれて。

もうちょっと一緒にいたいな、なんて思っていたから、わたしは嬉しくてすぐに頷いてしまった。


もっともっと、この時間がゆっくりと、長く続けばいいのにな。

そんな贅沢なことまで考えてしまう。


楽しい時間ほどあっという間に過ぎてしまうから、

しっかりと頭に焼き付けて、いつまでも記憶の中で鮮明に残っておくようにしたいな。

< 122 / 356 >

この作品をシェア

pagetop