おやすみ、先輩。また明日
「美味かったな。あのゼリー」
前を歩くあんこちゃんを見つめながら、ヤンキー先輩がぽつりと呟く。
「ふふ。まだ言ってる」
「美味かったんだからしょうがねぇだろ」
「じゃあまた作ってくるね。キウイじゃなくても、色んなフルーツで出来るから」
あのあとランから出て、公園内のベンチで水分補給をして持ってきていたゼリーを食べた。
しゅわしゅわの炭酸ゼリーに、ヤンキー先輩はすごくびっくりして、たくさん「美味い」って褒めてくれたんだ。
作っておいて本当に良かった~。
駅で別れるつもりだったのに、ヤンキー先輩が家まで送るって言ってくれて。
もうちょっと一緒にいたいな、なんて思っていたから、わたしは嬉しくてすぐに頷いてしまった。
もっともっと、この時間がゆっくりと、長く続けばいいのにな。
そんな贅沢なことまで考えてしまう。
楽しい時間ほどあっという間に過ぎてしまうから、
しっかりと頭に焼き付けて、いつまでも記憶の中で鮮明に残っておくようにしたいな。