おやすみ、先輩。また明日
それから2週間。
ヤンキー先輩とドッグランで、2日と置かずに会っていた。
おかげで夏バテなんてまったくないし、夏休みの課題も絶好調で進んでるし、
ブログもどんどん読者さんが増えているしで、わたしは幸せいっぱい!
今日も浮かれ気分でいつもの公園へと向かい、ドッグランの前に立つヤンキー先輩に声をかけようとした時。
肩にぽんと軽く手が置かれた。
「え……あっ! う、宇佐美先輩!?」
「やあ、杏ちゃん。久しぶり?」
すぐ後ろに立っていた宇佐美先輩の張りつけたような笑顔に、一気に現実に引き戻された気分になる。
ネイビーのクロップドパンツに、白ベースのポロシャツを爽やかに着こなした宇佐美先輩は、周りの女性の目線を一点に集めていた。
なんで宇佐美先輩がここに?
ヤンキー先輩が誘ったの?
「やっぱりこういうことだったか」
「え?」
「さ。藤のところに行こうね~」