おやすみ、先輩。また明日
長い腕が肩に回り、捕まってしまった。
もう逃げられない。
わたしは固まったまま、宇佐美先輩に引きずられるようにしてヤンキー先輩の元へ。
「……なんで宇佐美がいる?」
わたしたちに気付いたヤンキー先輩が、嫌そうに思いきり顔をしかめた。
よかった。
ヤンキー先輩が誘ったんじゃないんだ。
わたしと2人が嫌になったのかと一瞬でも考えて泣きそうになったよ。
「おはよう藤。良い天気だねー。絶好のお散歩日和って感じ?」
「うぜぇぞ、ウザミ。お前、俺のあとをつけたのか」
一段声を低くしたヤンキー先輩に、宇佐美先輩は軽く肩をすくめる。
わたしが震えあがるような睨みも、宇佐美先輩にはまるで効果がないらしい。