おやすみ、先輩。また明日
ここで何日かおきに会って、わたしが作ったデザートを食べて、
おしゃべりをして、家まで送ってもらうだけ。
わたしは舞い上がって浮かれていたけれど、本当にそれだけだ。
彼女が心配するような、浮気なんかじゃないのだ。
「ばっかだよねー。こそこそ会ってる時点でアウトじゃん。なんて言いわけするんだか」
「……宇佐美先輩は、ヤンキー先輩の味方なんですよね?」
「そうだけど?」
「じゃあわたしのことは話さないで、怪しいことは何もなかったって彼女に言えばいいんじゃないですか」
そうすれば、何の問題もない。
彼女は安心するし、ヤンキー先輩も責められずに済む。
わたしがそう言うと、宇佐美先輩は片眉をひょいとあげて、顔をのぞきこんできた。
「きみはそれでいいの?」
「え? わたし、ですか」
「だってそれじゃあ、藤にとってあまりにも都合の良い女過ぎない?」