おやすみ、先輩。また明日
ビー玉みたいにきらきら光る、宇佐美先輩の薄茶の目。
そこに映りこむ自分の歪んだ顔を見て、わたしは納得した。
そうか。
わたしって、都合の良い女なのか。
ヤンキー先輩がわたしのことをそんな風に思ってるとは思えない。
彼にとって、わたしは本当にただの後輩なんだろう。
でも傍から見ると、わたしは都合の良い女として映るんだ。
「……わたしはいいんです。それよりも、彼女に知られてヤンキー先輩と会えなくなる方がつらいから」
「へー。言うね。開き直ったんだ?」
「言ったじゃないですか。わたしは宇佐美先輩に嫌味言われたって、彼女のいる人に言い寄る最低な女だと思われたって、どうしたってヤンキー先輩のことが好きなんです」
好きだから会いたい。
好きだから話したい。
わたしを好きになって、とまでは言わないから。
せめて、わたしを避けたりしないでほしい。