おやすみ、先輩。また明日


「あ、アンコちゃん。林檎のクッキー、食べる……?」



目の前にかがんで、クッキーを乗せた手を差し出すと、アンコちゃんは鼻を近づけてくんくん匂いをかいだあと、おもむろにパクリと口に入れた。


あぐあぐとクッキーを食べるアンコちゃんに、なぜか感動して泣きそうになる。



「た、食べてくれてる~!」


「そりゃ食うよ。こいつ食い意地張ってるし」


「だって~。わたしの作ったクッキーだよ~」


「お前が作ったもんなら美味いんだから、なおさら食うだろうが」




ヤンキー先輩はなんでもない顔で、さらりと嬉しい言葉をくれる。


わたしはいつもときめかされっぱなしで、ドキドキしすぎでちょっと困るけど、

やっぱり嬉しい。


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