おやすみ、先輩。また明日
な、なんで宇佐美先輩が?
宇佐美先輩がいるなら、ヤンキー先輩も一緒ってこと?
でも周りを見ても、ヤンキー先輩の姿はない。
「なに? 誰のこと探してんの?」
「え。いえ、別に……」
「ちょっとー。宇佐美くんの知り合い?」
髪が盛り盛りの彼女が、割って入ってくる。
なんだ、宇佐美先輩この人と来てたんだ。
もしかして彼女なのかな。
「知り合いってゆーか、高校の後輩?」
「なんで疑問形? ウケんだけどー。どうでもいいけど見てよー。ワンピ汚れちゃったぁ」
「あーらら。杏ちゃんも思いっきり汚れてんね?」
胸元を指されて、はっとする。
そうだ、たこ焼きで汚しちゃったんだった!
「ごめんなさい! わたしがぶつかった拍子に、たこ焼きを落としちゃって!」
「あー。そういうこと。ごめんねサキちゃん。ここは俺に免じて許して?」
「え~」
「これ、クリーニング代。それとあとで何かおごるからさー」