おやすみ、先輩。また明日
宇佐美先輩に手を引かれるまま、鳥居をくぐって外へと向かう。
本当に、何を考えてるのかわからない人。
助けてくれたんだよね。
それは気まぐれか、それとも同情か。
どちらにせよ、わたしは戸惑うばかりだ。
「あ、あの。宇佐美先輩」
「……なに。戻りたいとか言ったら蹴り飛ばしちゃうかもよ」
「ち、違います。友だちに連絡したいんです」
「ああ。そう」
あっさりと手を放されて、ほっとした。
歩
く速度を落とした宇佐美先輩の後ろを、メールを打ちながら追いかける。
須賀ちゃんに、気分が悪くなったから帰るとメールした。
皆から着信が何件かあったけど、いまは返せそうにないや。