おやすみ、先輩。また明日
「宇佐美先輩は、お友だちに連絡しなくていいんですか?」
「面倒だからいい」
「でも、さっきの彼女怒るんじゃ」
あとでおごるって言ってたのに。
それもわたしのせいなんだけど。
宇佐美先輩は軽く肩をすくめる。
「別に彼女でもなんでもないし。まあ、あとで適当にご機嫌とっておくよ」
やっぱり、よくわからない。
宇佐美先輩は冷たいのか優しいのか。
冷たかろうが優しかろうが関係ない、とか本人に言われそうだし、考えるのはやめにしよう。
スマホをしまって、出てきたのはため息。
本当にひどい日だった。
どうしてお祭りになんて来ちゃったんだろう。
おとなしく家でお菓子を作っていれば良かった。
そうすれば少なくとも、こんなにみじめな思いはしなくて済んだのに。