おやすみ、先輩。また明日
「どうしちゃったんですか……?」
「なにが」
「なんか、宇佐美先輩変だから……」
宇佐美先輩は眉を寄せたあと、また前を向いて歩き出した。
「別に俺はいつも通りだよ」
そうだろうか。
でもわたしにヤンキー先輩を想うのをやめさせるのは、ヤンキー先輩の為になることだからおかしくないか。
ヤンキー先輩のことを「ずるい男」なんて言うのは、やっぱりちょっとらしくないとは思うけど。
それにどうしてヤンキー先輩が「ずるい男」になるのかな。
結局宇佐美先輩が、そのままわたしを家の前まで送ってくれて、「またね」なんて言ってそっけなく帰っていっても、
わたしは「ずるい」の意味をずっと考え続けた。
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