おやすみ、先輩。また明日
「す、すみません……」
「ふふふ。桜沢さん、よほど夏休みが楽しかったのかな?
でももう学校も始まるし、ちゃんと戻ってきてね?」
わたしは顔を熱くしながら、何度も頷く。
神林先生が言うとまったく嫌味に聞こえないから不思議だ。
優しく語りかける口調は、保育園の先生みたい。
「さて、それじゃあ1年生の班の今後についてだね。
夏休み明けから個々で動いてもらうことになるけれど、とりあえず確認したいのはそれぞれどういうものを作っていくかかな」
ああ、そっか。
そうだよね。
わたしはお菓子一本だったから、これまで須賀ちゃんたちもお菓子しか作ってきていないけど。
他の先輩たちはパスタを作ったり、魚をさばく練習をしたり、お弁当を考えたりなんかもしてる。
予算の範囲内なら何を作ってもいいってこと。