おやすみ、先輩。また明日

謝るならわたしじゃなくて山中さんにね。

そう言おうとして、山中さんを見て苦笑も引っこんだ。


山中さんの、よく磨かれた眼鏡の奥の目が血走っている。


真面目な彼女は沸点が低いんだよなあ。



「また須賀さんが原因なの!? いい加減にして欲しいんだけど!」


「あーははは。だからごめんって!」


「須賀さんのごめんは聞き飽きた! 私もうあなたと組みたくない!」


「そう言わないで仲良くやろうよ、山中~」


「おーい。2人とももうちょっと静かにしませんか」



調理部員は、1年はわたしたち3人、2年も3人、3年は2人と少ないので、調理する時は1人1品作れることになっている。

でも須賀ちゃんと山中さんは料理をまったくしたことがない初心者だったから、いまのところわたしが教えて2人で1品作っているのだ。


だから毎回ひと悶着あるので、正直わたしも2人にはバラバラに作って欲しいんだけど、

これは部長命令だから仕方ない。

< 17 / 356 >

この作品をシェア

pagetop