おやすみ、先輩。また明日

また、こんな風に普通に話せてよかった。

ヤンキー先輩が笑顔を向けてくれてよかった。


昨日公園で会わなかったら、きっとこんな風にはなれなかっただろうな。




「あれ見て。またやってる……」


「一年のコでしょ。しつこいよね……」


「藤くんもいつまで相手してやってるんだか……」



ぼそぼそと、2年の女の先輩たちが囁き合う声が聞こえてきた。


あー、また言われてる。

慣れたものだけど、ヤンキー先輩といるときに言われると、ちょっと気まずいなあ。


申し訳ない気持ちでヤンキー先輩を見上げれば、彼は思いきり彼女たちを睨みつけていた。



「おい。お前ら何か言いたいことあんなら俺に言え」


「え……っ」


「べ、別に何も……」



不機嫌そうなヤンキー先輩の低い声に、彼女たちは顔を真っ青にして首を振った。


めちゃくちゃ怖がってる。

クラスメイトなんじゃないのかな。

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