おやすみ、先輩。また明日
ヤンキー先輩はそんなわたしに、溶けそうな微笑みで返してくれた。
この人のどこが恐いの?
こんなに優しい表情をしてるのに。
「悪い。もうちょっと待ってくれ」
「え……? わっ」
またわたしの髪をぐしゃぐしゃに乱して、ヤンキー先輩は先に行く。
よくわからなかったけど、大きな背中はとても頼もしくて、かっこよかった。
惚れなおしちゃうね。
いや、なおすって言葉はちょっとちがうか。
もっともっと惚れちゃうね。
「ヤンキー先輩。ありがと」
小走りで横に並んでお礼を言うと、もっと髪を乱されてしまった。
改めて、夏が終わってもわたしはまだ、
きっとまだまだずっと、この人が好きだと思った。
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