おやすみ、先輩。また明日


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次の日。

わたしは電車の中で中吊り広告をぼんやりと見上げながら、昨日のメールのやり取りを思い出していた。


あれから梶原さんという人とメールのやり取りを何度かやって、

なぜか急遽、今日学校が終わったあと会うことになってしまった。


なんだか相手はとても急いでいるみたい。



詐欺だったらどうしよう。

でもお母さんも一緒に行くし、変なことにはならないだろうけど、やっぱり心配。


そして詐欺じゃなくて、梶原さんが本当に星創出版の編集さんで、レシピ本の話しが本当だったら……。




「どうした、くるくる」


「……へっ?」


「ぼ~っとして」



隣りに座っていたヤンキー先輩が、組んでいた足をおろして顔をのぞきこんでくる。


先輩、顔が近いよ……!

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