おやすみ、先輩。また明日

うう……!

ヤンキー先輩から誘ってくれたのに、断らなきゃいけないなんて!


これで梶原さんが詐欺だったら恨む。

ぼろくそに言ってやる。


なにがなんでも警察に突き出してやるー!




「そうか。気にすんな。どっか寄って飯食おうかと思ってただけだ」


「気にするよ~。ヤンキー先輩とご飯食べたかった……」


「じゃあまた来週の部活休みの時な」


「……うん。あ、そうだ。ヤンキー先輩、これ」



鞄から、淡い黄色の袋でラッピングして、ピンクのリボンで飾ったそれを出す。


ヤンキー先輩用に、うちにはいまラッピング用品が充実してるのだ。

ネットでも可愛いラッピング用品を見つけると、すぐ買っちゃうんだよね。



男の人は包装なんてどんなものでも気にしないだろうけど。

ラッピングを考えるだけで、丁寧に包んでいるだけで、わたしは幸せな気持ちになるんだよ。




「昨日の夜、思いついて作ってみたんだ。林檎とくるみのクッキー」


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