おやすみ、先輩。また明日


「な、なにしてるの、ふたりして。……もしかして、聞いてた?」


「聞いてたっつーのー! すごいじゃん桜沢~!」



須賀ちゃんが勢い良く飛びついてきたので慌てて支える。


なんてこった!

秘密にしておかなきゃいけないはずが、このふたりにまで知られるなんて……!



「あのね、よく聞いて。このことはまだしばらく内緒なの。
許可が出た相手以外には誰にも言っちゃいけないって言われてるの」


「おー! なんか本格的~!」


「いや、須賀ちゃん。聞いてる?」


「聞いてる聞いてる! 大丈夫だって。わたし口固いから!」



どうしよう。

こんなに信用できない言葉はじめて聞いたかも。


須賀ちゃんはわざとじゃないけど、うっかり口が滑っちゃうことがよくあるからなあ。



「頼むから黙っててね? ええと、山中さんも」


「言わないし。っていうか、その本には部活で作ったものも載るわけ?」


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