おやすみ、先輩。また明日
「そ、そんなのあなた、いちいち覚えてるの?」
「覚えてるよ。作り直したレシピは1度山中さんに見せるからチェックしてね。あとで文句言われても困るから」
「な……なによその言い方!」
「おお。桜沢がとうとうキレた」
まだキレてないよ須賀ちゃん。
けっこう限界に近いけど、まだ大丈夫。
こんなところで負けてたまるか。
「そういうことで、よろしくね山中さん。さ。須賀ちゃん帰ろうか」
「お、おー!」
わたしたちは山中さんを置いて先に階段を下りていく。
背中に視線が突き刺さっている気がしたけど、振り返ったりはしなかった。
だって泣きそうだったから。
いくらなんでも、あんな風に言われるなんて思ってなくて。
わたしはどれだけ彼女に嫌われているんだろう。