おやすみ、先輩。また明日


「こいつマジむかつく!」



髪をつかんでいる人とは別の女子が、大きく手を振り上げた。



叩かれる!



迫りくる衝撃にギュッと目をつぶった瞬間、ものすごい力に後ろへ引き寄せられて。


あったかい何かに守るように包まれた。



「藤くん……!?」



麻美さんの裏返った声にびっくりして目を開ける。



後ろからわたしを抱きしめていたのはヤンキー先輩。


片腕でわたしを叩こうとしていた人の手を受け止めていた。




「ヤンキー先輩……」


「無事か、杏」



なんで……。

なんでここにいるの。



やめてよ。反則だよ。


かっこよすぎるじゃん。

< 216 / 356 >

この作品をシェア

pagetop