おやすみ、先輩。また明日
「こいつマジむかつく!」
髪をつかんでいる人とは別の女子が、大きく手を振り上げた。
叩かれる!
迫りくる衝撃にギュッと目をつぶった瞬間、ものすごい力に後ろへ引き寄せられて。
あったかい何かに守るように包まれた。
「藤くん……!?」
麻美さんの裏返った声にびっくりして目を開ける。
後ろからわたしを抱きしめていたのはヤンキー先輩。
片腕でわたしを叩こうとしていた人の手を受け止めていた。
「ヤンキー先輩……」
「無事か、杏」
なんで……。
なんでここにいるの。
やめてよ。反則だよ。
かっこよすぎるじゃん。