おやすみ、先輩。また明日


「お前には話がある。場所移すぞ」



ヤンキー先輩がわたしから離れて、彼女のもとへ。



行っちゃうの……?


行かないで、ヤンキー先輩。



わたしを置いて行かないで……。




思わず手を伸ばしかけた時、ヤンキー先輩が悲しそうな顔で振り返った。



「杏。送ってやれなくて悪い。……宇佐美、頼んだ」


「はいはい。わかってるよ」


「……杏。気をつけて帰れよ」



一瞬だけ優しい微笑みを向けられて。


わたしは黙ってうなずいて、ヤンキー先輩と麻美さんを見送った。


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