おやすみ、先輩。また明日


「ありがとうございました、宇佐美先輩」


「どーいたしまして。俺たちヒーローみたいじゃなかった?」


「タイミング良すぎましたもんね。……で、なんで先輩たちがここに?」



今日は待ち合わせをした覚えもないし。


ふたりが来てくれて本当に助かったけど、どうしてここがわかったんだろ……。




「なんかさー。麻美ちゃんから昨日メールが来たんだよね。お祭りの時一緒にいた子の名前は?って」


「え……」


「あー、探り入れてるなぁと思って。嫌な予感したから、杏ちゃんの部活終わるの待ってたってわけ」


「そうだったんだ……」


「俺って冴えてるよねぇ。惚れた?」


「惚れないです。でも、助かりました。本当にありがとう、先輩」


「ふふ。もっと感謝して。お礼は手作りお菓子でいいよー」



そんなものでいいのなら、いくらでも。


手作りは嫌だって言ってた人はどこに行ったんだか。

< 221 / 356 >

この作品をシェア

pagetop