おやすみ、先輩。また明日
また明日、先輩。
電車に揺られながら、わたしは帰ってからやることを頭の中で整理していた。
まずはご飯食べて、お風呂入ってからブログを……。
あ、だめだ。
今日は英語の課題出たんだった。
課題を先にやって、それからブログをチェックして、コメント返信して、載せたいレシピをピックアップして……。
「藤に言わなくていいの?」
隣りでケータイをいじっていた宇佐美先輩がぽつりと言った。
何の事を言ってるのかわからなくて首を傾げる。
「言うって何を?」
「彼女と別れてって」
「そんなこと言いませんよ……」
いきなり何を言い出すんだか。
確かにちょっと今回は嫌な目にあったけど、これを機に別れてほしいなんて思ってない。
ヤンキー先輩が麻美さんのことを大切にしてるの知ってるし。
別れるなんてことになったら、ヤンキー先輩だって辛い想いをするだろうから。