おやすみ、先輩。また明日
「でも宇佐美先輩はわたしのことも嫌いでしょ?」
調子に乗るなとまた毒を吐かれるのを覚悟で言ったのに、宇佐美先輩は黙ってしまった。
そしてわたしの顔をじっと見てくる。
何かわたし、口にしてはいけないことを言ってしまったでしょうか。
「……嫌いじゃない」
「え?」
「夏休みにそう言ったでしょ。ほんと杏ちゃんはバカだね」
そんなこと言ったっけ?
それきり宇佐美先輩は口を閉ざして、またケータイをいじり始めた。