おやすみ、先輩。また明日
「ごめんなさい……」
「謝らないでくんないかなあ。惨めになるじゃん」
「ご、ごめんなさい。じゃなくて、えっと……」
「あー、いいよいいよ。きみはもう喋んなくていい」
告白された直後に呆れられるって、どんな状況だ。
再び歩き出す宇佐美先輩と、距離を置いてわたしも足を踏み出す。
それからはふたりほとんど無言で歩いて、数分後家の前に着いた。
「じゃ、じゃあ……」
気まずいなあと思いながら宇佐美先輩を見上げると、
予想外に優しく微笑む彼がいてびっくりした。
なんでそんな風に笑ってるの?
「あのね、杏ちゃん」
「は、はい」
「俺はモテるから、きみごときに振られても痛くもかゆくもないんだよ」
……ん?
なんかいままたとても馬鹿にされたような気がしたんだけど。