おやすみ、先輩。また明日
じわじわと目頭が熱くなってくるのを感じた時、机の上のケータイが震えだした。
うそ。
ヤンキー先輩から電話だ。
「も、もしもし?」
『……家、無事着いたか? いま何してる?』
「うん。う、宇佐美先輩にちゃんと送ってもらったよ。えっと、英語の課題をやろうかと思ってた」
『いま少し外出てこられるか』
「外?」
『もうすぐお前んち着く』
びっくりしながらも、わたしはすぐに自分の格好をチェックした。
Tシャツに短パンて小学生か!
しかも中学の指定ハーフパンツだし!
“桜沢”って刺繍入ってるし!
あわててシャツを羽織って、キュロットに着替え外へ飛び出した。
きょろきょろあたりを見回すと、こっちに歩いてきたヤンキー先輩が街灯の灯りの下で立ち止まった。