おやすみ、先輩。また明日


「麻美が、悪かったな」


「……ううん」



傷つくな、杏。


ヤンキー先輩が彼女の代わりに謝ってきたからって、そんなことで傷つくな。



彼氏が彼女をかばうのは、当たり前のことなんだから。




「膝、ケガしてるぞ」


「え? ああ、えっと。痛くないし大丈夫!」



麻美さんの友だちに蹴られた時、すりむいたみたい。


お風呂に入って少し染みた程度で、ケガってほどのことじゃない。



「宇佐美先輩が何言ったのか知らないけど、わたし泣いてないよ?」


「嘘つけ。目ぇ赤いぞ」

< 243 / 356 >

この作品をシェア

pagetop