おやすみ、先輩。また明日


1度、

2度、

3度……。



なぐさめるようなそのキスに、ますます泣きたい気持ちになった。


キスの雨が止むと、また抱きしめられる。

わたしは今度は力を抜いて、広い背中に腕を回した。


もれた息がひどく熱い。




「……ありがと、ヤンキー先輩。
あのね、今日色んなことがあって、ちょっとまいってたんだ」


「そうか」


「でも元気でた。先輩のおかげ」


「……そうか」



抱きしめられながら、頭まで撫でられて。


幸せな気持ちと切ない気持ちが、わたしの中でぐるぐるとマーブル模様を作る。



好きです。


そう口にすれば、この複雑な心理からも解放されるのかな。

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