おやすみ、先輩。また明日
「そうだ。今日はね、秋っぽいものを作ったんだよ」
鞄から包みを出してヤンキー先輩に渡す。
ふわりと薫る甘い匂い。
「今日のはなんだ?」
「ひとくちかぼちゃパイ! さくさくほっこりで、ザラメと塩の食感がヤンキー先輩好みだと思う」
「美味そう。昼食うかな」
忙しくても寝不足でも、ヤンキー先輩に渡すお菓子を作る元気はあるから不思議。
それでも作る回数は減ったなあ。
「疲れてんならムリして作らなくていいんだぞ」
「ムリしてないよ? 作らない方がわたしにはつらいんだもん」
「杏ちゃんらしいね~」
「あ。宇佐美先輩もどーぞ。たくさん作ったんだ」
というか、作り過ぎてしまった。
美味しくできたからよかったけどさ。
実はこのパイも本に載せる予定だ。